「ベッドに入っても目が冴えて眠れない」「夜中に何度も起きてしまい、朝スッキリしない」そんなつらい不眠の悩みを抱えていませんか?薬に頼る前に、まずは毎日の食事を見直してみましょう。実は、睡眠の質を高める鍵は、身近な食べ物や飲み物にあるのです。この記事では、睡眠ホルモンの材料となる「トリプトファン」など、不眠解消をサポートする栄養素を科学的根拠と共に解説。さらに、仕事帰りにコンビニで手軽に買える、ぐっすり眠るためにおすすめのドリンクとフードを具体的に7つご紹介します。この記事を読めば、今夜からすぐに試せる、あなたに合った快眠のヒントが見つかります。
もしかして不眠症?眠れない夜が続く原因とは
「ベッドに入ってもなかなか寝付けない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」「朝早く目が覚めて、それから眠れない」…。そんな眠りに関する悩み、抱えていませんか?一時的な寝不足は誰にでもありますが、このような状態が週に数回以上、1ヶ月以上も続いている場合、それは「不眠症」かもしれません。
不眠症とは、単に睡眠時間が短いことではなく、眠れないことで日中の活動に支障が出ている状態を指します。集中力が続かなかったり、なんだか体がだるかったり、イライラしやすかったりするのは、質の良い睡眠がとれていないサインかもしれません。まずは、ご自身の状態をチェックしてみましょう。
不眠症の4つのタイプとセルフチェック
不眠症は、症状によって主に4つのタイプに分けられます。複数のタイプを合併していることも少なくありません。以下の項目に当てはまるものがないか、確認してみてください。
| 不眠のタイプ | 具体的な症状の例 |
|---|---|
| 入眠障害 | 床に就いてから寝つくまでに30分~1時間以上かかる。考え事をしてしまったり、不安になったりして目が冴えてしまう。 |
| 中途覚醒 | 眠りが浅く、夜中に何度も目が覚める。一度起きるとなかなか寝付けないこともある。 |
| 早朝覚醒 | 起きようと思っていた時刻より2時間以上も早く目が覚めてしまい、その後眠れない。 |
| 熟眠障害 | 睡眠時間は足りているはずなのに、ぐっすり眠れた感じがしない。朝起きた時に疲れが残っている。 |
これらの症状に心当たりがあり、日中の眠気や倦怠感でつらいと感じる日が続くようなら、何らかの対策が必要です。眠れない夜が続く背景には、様々な原因が隠されています。
眠れない夜を引き起こす5つの主な原因
不眠の原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。ここでは、代表的な5つの原因について解説します。
1. 心理的な原因(ストレス・悩み)
仕事のプレッシャー、人間関係の悩み、家庭内の問題、将来への不安など、精神的なストレスは不眠の最大の原因となり得ます。ストレスを感じると、心身を活動的にする「交感神経」が優位になり、脳が興奮状態になります。ベッドに入ってもリラックスできず、考え事が頭から離れない状態が続き、スムーズな入眠を妨げてしまうのです。
2. 身体的な原因(病気や症状)
体の不調や病気が原因で眠れなくなることもあります。例えば、アトピー性皮膚炎によるかゆみ、花粉症による鼻づまり、喘息の咳、関節リウマチの痛み、夜間頻尿などが挙げられます。また、睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」や、脚がむずむずしてじっとしていられなくなる「むずむず脚症候群」など、睡眠そのものを妨げる病気が隠れている可能性もあります。
3. 生活習慣による原因(乱れたリズム)
私たちの体には、約24時間周期でリズムを刻む「体内時計」が備わっています。このリズムが乱れると、睡眠と覚醒の切り替えがうまくいかなくなります。
- 寝る直前のスマートフォンやPC、テレビの視聴(ブルーライトの影響)
- 就寝前のカフェイン摂取(コーヒー、緑茶、エナジードリンクなど)
- 寝る前の飲酒(寝つきは良くなるが、眠りが浅くなり中途覚醒の原因に)
- 不規則な食事時間や就寝前の食事
- 運動不足、または就寝直前の激しい運動
- 休日の寝だめによる平日とのリズムのズレ
特に現代人にとって、スマートフォンから発せられるブルーライトは大きな問題です。夜に強い光を浴びると、脳が「昼間だ」と勘違いし、自然な眠りを誘うホルモン「メラトニン」の分泌が抑制されてしまいます。
4. 環境的な原因(寝室の環境)
意外と見落としがちなのが、寝室の環境です。快適な睡眠のためには、静かで暗く、適切な温度・湿度が保たれた環境が理想です。明るすぎる照明や窓から漏れる光、テレビのつけっぱなし、家族の生活音や外の騒音、暑すぎたり寒すぎたりする室温、体に合わない寝具(枕やマットレス)などが、安眠を妨げる原因になります。
5. 薬理学的な原因(薬の副作用など)
治療のために服用している薬の副作用として、不眠の症状が現れることがあります。例えば、一部の降圧薬、ステロイド薬、気管支拡張薬などが該当する場合があります。もし、新しい薬を飲み始めてから眠れなくなったと感じる場合は、自己判断で服用を中止せず、必ず処方した医師や薬剤師に相談してください。
不眠解消に食べ物が効果的な理由 睡眠をサポートする栄養素
「夜なかなか寝付けない」「眠りが浅くて疲れが取れない」といった悩みを抱えているとき、食事内容を見直すことが解決の糸口になるかもしれません。私たちの体は、食べたものから作られています。それは、睡眠のリズムを整えるホルモンや、心身をリラックスさせる神経伝達物質も例外ではありません。
つまり、睡眠の質を高めるために必要な栄養素を食事から意識的に摂取することで、自然で深い眠りをサポートできるのです。ここでは、不眠解消の鍵となる代表的な3つの栄養素について、その働きを詳しく解説します。
睡眠ホルモンの材料になる「トリプトファン」
トリプトファンは、体内で作ることができない必須アミノ酸の一種です。食事から摂取されたトリプトファンは、日中に脳内で精神を安定させる働きを持つ「セロトニン」という神経伝達物質に変換されます。このセロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、心のバランスを保つために欠かせません。
そして、夜になり周囲が暗くなると、日中に作られたセロトニンを材料にして、自然な眠りを誘う「メラトニン」という睡眠ホルモンが分泌されます。このメラトニンが十分に分泌されることで、私たちはスムーズに眠りにつくことができるのです。つまり、トリプトファンの摂取は、良質な睡眠サイクルの土台作りといえます。
リラックスに導く「GABA(ギャバ)」
GABA(ギャバ)は、正式名称を「γ-アミノ酪酸(ガンマ-アミノらくさん)」といい、主に脳内で働く神経伝達物質です。その最大の役割は、ストレスや興奮によって高ぶった神経の働きを抑制し、心身を落ち着かせることです。
心配事や緊張で頭が冴えて眠れないとき、私たちの脳は興奮状態にあります。GABAには、こうした過剰な神経活動を鎮め、心と体をリラックスモードに切り替える働きがあります。ストレス社会で過ごす私たちにとって、GABAは穏やかな眠りへのスイッチを押してくれる心強い味方です。
深い眠りを助ける「グリシン」
グリシンは、私たちの体内で合成できる非必須アミノ酸の一種ですが、睡眠の質に深く関わることが研究でわかっています。グリシンの特徴的な働きは、体の表面の血流を増やし、体の中心部の温度(深部体温)を効率的に下げる手助けをすることです。
人は深部体温が下がることで、自然な眠気を感じるようにできています。グリシンは、この体温調節をスムーズにし、特に深い眠りである「ノンレム睡眠」に早く到達するのをサポートする働きが期待されています。ぐっすり眠った感覚を得たい方や、夜中に目が覚めやすい方に注目してほしい栄養素です。
これらの栄養素の働きをまとめると、以下のようになります。
| 栄養素 | 主な働き | 多く含まれる食品例 |
|---|---|---|
| トリプトファン | 睡眠ホルモン「メラトニン」の材料となり、体内時計を整える。 | 乳製品、大豆製品、バナナ、ナッツ類 |
| GABA(ギャバ) | 興奮した神経を鎮め、心身をリラックスさせる。 | 発酵食品(ヨーグルト、乳酸菌飲料)、トマト、カカオ |
| グリシン | 深部体温を下げ、深い眠り(ノンレム睡眠)をサポートする。 | エビ、ホタテなどの魚介類、豚肉、牛肉 |
次の章からは、これらの栄養素を手軽に摂れる、コンビニで買える具体的な飲み物や食べ物をご紹介します。
【飲み物編】コンビニで探す不眠解消を助けるドリンク4選
仕事で疲れているはずなのに、なぜか目が冴えて眠れない…。そんな夜は、近所のコンビニがあなたの強い味方になります。ここでは、多くのコンビニで手軽に購入でき、質の高い睡眠をサポートしてくれる飲み物を4つ厳選してご紹介します。寝る前のリラックスタイムに、ぜひ取り入れてみてください。
ホットミルク
昔から「眠れない夜にはホットミルク」と言われるように、牛乳は快眠ドリンクの代表格です。その理由は、睡眠ホルモン「メラトニン」の材料となるアミノ酸「トリプトファン」が豊富に含まれているからです。また、牛乳に含まれるカルシウムには、神経の興奮を鎮めて心を落ち着かせる働きも期待できます。
コンビニでは、成分無調整牛乳や低脂肪乳など、さまざまな種類が手に入ります。プライベートブランド商品でも品質は十分です。購入後は、自宅の電子レンジで人肌程度に温めてから、就寝1〜2時間前にゆっくりと飲むのがおすすめです。温めることで胃腸への負担が減り、内側から体が温まってリラックス効果が高まります。はちみつを少量加えると、血糖値が緩やかに上昇し、さらに眠気を誘う効果も期待できますが、糖分の摂りすぎには注意しましょう。
豆乳
牛乳が苦手な方や、乳製品アレルギーが気になる方には豆乳がおすすめです。豆乳も牛乳と同様に、快眠に欠かせないトリプトファンを豊富に含んでいます。さらに、大豆製品特有の「大豆イソフラボン」は、女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをすることで知られています。ホルモンバランスの乱れが原因で起こる不眠に悩んでいる方は、試してみる価値があるでしょう。
コンビニで選ぶ際は、砂糖や香料が添加されていない「無調整豆乳」が最適です。甘みのある「調整豆乳」やコーヒー、バナナなどのフレーバー付き豆乳は糖分が多めなので、寝る前に飲む場合は避けた方が無難です。ホットミルクと同じように、温めて飲むと体が温まり、リラックス効果が高まります。
カモミールティー
ハーブティーの中でも、特にリラックス効果が高いことで知られるのがカモミールティーです。カモミールに含まれる「アピゲニン」という成分が、脳の興奮を鎮め、心身をリラックス状態に導いてくれます。心地よい香りは、一日の緊張やストレスを和らげるのにも役立ちます。
最大のポイントは、カフェインを一切含まない「ノンカフェイン(デカフェ)」であること。コーヒーや緑茶などカフェインを含む飲み物は覚醒作用があるため就寝前には不向きですが、カモミールティーなら安心して飲むことができます。コンビニでは、ティーバッグタイプのハーブティーコーナーで手軽に見つけられます。温かいお湯を注ぎ、立ち上る香りを楽しみながらゆっくりと味わうことで、自然な眠りへと誘われるでしょう。
乳酸菌飲料
「腸は第二の脳」とも言われ、腸内環境と睡眠の質には深い関係があることが近年の研究でわかってきました。ストレスを感じると腸の働きが乱れ、逆に腸内環境が悪いと不安を感じやすくなるなど、脳と腸は互いに影響を及ぼし合っています(脳腸相関)。
そこでおすすめなのが、腸内環境を整える乳酸菌飲料です。特に最近では、「ストレス緩和」や「睡眠の質向上」を謳った機能性表示食品の乳酸菌飲料がコンビニでも数多く販売されています。これらの商品には、リラックス効果のある「GABA」や、ストレスを緩和し睡眠の質を高める「L-テアニン」などが含まれていることもあります。継続的に摂取することで腸内環境が整い、ストレスに強い心身と質の高い睡眠を手に入れるサポートをしてくれます。
| 飲み物 | 主な快眠サポート成分 | 飲む際のポイント |
|---|---|---|
| ホットミルク | トリプトファン、カルシウム | 人肌に温めて飲むことでリラックス効果がアップ。 |
| 豆乳 | トリプトファン、大豆イソフラボン | 牛乳が苦手な人におすすめ。無調整豆乳を選ぶ。 |
| カモミールティー | アピゲニン(ポリフェノールの一種) | ノンカフェインで安心。香りを楽しみながらゆっくり飲む。 |
| 乳酸菌飲料 | 乳酸菌、GABAなど | 腸内環境を整える。睡眠サポート機能のある商品を選ぶと良い。 |
【食べ物編】小腹が空いたら選びたい不眠解消フード3選
夜遅くに小腹が空いてしまい、何か食べたいけれど眠れなくならないか心配…。そんな経験はありませんか?空腹感が強すぎるとかえって寝つきが悪くなることもあります。ここでは、そんな時にぴったりの、コンビニでも手軽に手に入り、かつ良質な睡眠をサポートしてくれる食べ物を3つ厳選してご紹介します。食べるものを選べば、夜食も快眠の味方になります。
バナナ
手軽に栄養補給ができるバナナは、実は「天然の睡眠薬」とも呼ばれるほど、安眠に役立つ栄養素が詰まった果物です。消化も良く、寝る前の小腹満たしに最適です。
バナナが快眠に導く理由
バナナには、睡眠の質を高めるための栄養素がバランス良く含まれています。
- トリプトファン:幸せホルモン「セロトニン」を経て、睡眠ホルモン「メラトニン」の材料となる必須アミノ酸です。
- ビタミンB6:トリプトファンからセロトニンが作られるのを助ける補酵素の役割を果たします。
- マグネシウム:神経の興奮を鎮め、心身をリラックスさせる効果が期待できるミネラルです。
これらの栄養素が相乗効果を発揮し、穏やかな眠りへと自然に誘導してくれるのです。コンビニでは1本から手軽に購入できるのも嬉しいポイントです。
選び方と食べる量のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選び方 | 熟してシュガースポット(黒い斑点)が出ているものが、甘みが強く消化にも良いためおすすめです。 |
| 食べる量 | 糖質も含まれるため、寝る直前に食べるなら1本程度にしておきましょう。 |
| タイミング | 就寝の1時間〜1時間半前までに食べるのが理想的です。 |
ヨーグルト
腸内環境を整えるイメージが強いヨーグルトですが、選び方次第で不眠解消の強力なサポーターになります。特に、ストレスや緊張で寝付けない方におすすめです。
ヨーグルトが快眠に導く理由
ヨーグルトに含まれる栄養素が、心身の緊張を和らげてくれます。
- GABA(ギャバ):一部のヨーグルトには、ストレスを緩和し、リラックス効果をもたらすことで知られるGABAが強化配合されています。睡眠の質を高める機能性表示食品として販売されているものもあります。
- トリプトファン:乳製品であるヨーグルトにも、メラトニンの材料となるトリプトファンが含まれています。
- カルシウム:神経の興奮を抑制する働きがあり、イライラを鎮めて心を落ち着かせる効果が期待できます。
腸内環境が整うと自律神経のバランスも整いやすくなるため、継続的に食べることで、根本的な体質改善にもつながります。
選び方と食べる量のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選び方 | 砂糖の多いものは血糖値を急上昇させ睡眠を妨げる可能性があるため、無糖または低糖質タイプを選びましょう。「睡眠の質を高める」と表示された機能性表示食品もおすすめです。 |
| 食べる量 | 小さなカップ1個(約100g)程度が適量です。 |
| アレンジ | 体を冷やさないよう、食べる少し前に冷蔵庫から出しておくか、人肌程度に温める「ホットヨーグルト」も良いでしょう。 |
アーモンド
小腹が空いたときにつまみやすいアーモンドも、快眠をサポートする栄養素が豊富な食材です。食感があるため満足感を得やすく、夜食にぴったりです。
アーモンドが快眠に導く理由
アーモンドには、特に筋肉や神経の緊張をほぐすミネラルが豊富に含まれています。
- マグネシウム:ナッツ類の中でも特にマグネシウムの含有量が多く、筋肉の弛緩を助け、深いリラックス状態へと導きます。「天然の精神安定剤」とも呼ばれる栄養素です。
- トリプトファン:少量ながら、メラトニンの材料となるトリプトファンも含まれています。
- ビタミンE:血行を促進する働きがあり、手足の冷えが原因で寝付けない場合に効果が期待できます。
よく噛むという行為自体にも、心を落ち着かせるリラックス効果があるため、ゆっくり味わって食べるのがおすすめです。
選び方と食べる量のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選び方 | 塩分は睡眠中の喉の渇きやむくみの原因になるため、必ず「素焼き」で「食塩不使用」のものを選びましょう。コンビニでは小袋の食べきりサイズが便利です。 |
| 食べる量 | 脂質が多いため、食べ過ぎは禁物です。手のひらに軽く一杯、10〜15粒程度を目安にしましょう。 |
| タイミング | 消化に少し時間がかかるため、就寝の1〜2時間前には食べ終えるようにしましょう。 |
ヘッドコンシェルジュが教える食べ物と合わせたい快眠習慣
不眠解消のためには、食事からのアプローチが非常に効果的です。しかし、ぐっすりと質の高い睡眠を手に入れるためには、食事だけでなく日々の生活習慣を整えることが不可欠です。ここでは、睡眠の専門家であるヘッドコンシェルジュが、食べ物の効果を最大限に引き出すための5つの快眠習慣をご紹介します。ぜひ、今夜から取り入れてみてください。
体内時計を整える光のコントロール術
私たちの体には、約24時間周期でリズムを刻む「体内時計(サーカディアンリズム)」が備わっています。このリズムが乱れると、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりする原因に。体内時計を正常に保つ鍵は「光」を上手にコントロールすることです。
朝:太陽の光を浴びてスイッチオン
朝起きたら、まずカーテンを開けて太陽の光を部屋に取り込みましょう。朝日を15分〜30分ほど浴びることで、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が止まり、脳が覚醒モードに切り替わります。同時に、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌が活性化します。このセロトニンは、夜になるとメラトニンの材料となるため、朝の光を浴びる習慣は、夜の快眠への第一歩となるのです。
夜:ブルーライトを避けて眠りの準備
夜は、朝とは逆に強い光を避けることが重要です。特に、スマートフォンやパソコン、テレビから発せられる「ブルーライト」は、脳を覚醒させ、メラトニンの分泌を抑制してしまいます。少なくとも就寝の1〜2時間前にはデジタルデバイスの使用を終えましょう。部屋の照明も、蛍光灯のような白い光から、暖色系の間接照明に切り替えることで、心身ともにリラックスし、自然な眠りへと体を導くことができます。
快眠の鍵は「深部体温」にあり!効果的な入浴法
スムーズな入眠には、体の内部の温度である「深部体温」の変化が深く関わっています。人は、この深部体温が下がるタイミングで眠気を感じるようにできています。このメカニズムをうまく利用するのが、就寝前の入浴です。
おすすめは、就寝の90分〜120分前に、38℃〜40℃のぬるめのお湯に15分ほど浸かること。入浴によって一時的に上がった深部体温が、お風呂から上がった後に放熱され、急降下します。この体温の低下が、質の高い眠りへの強力なスイッチとなるのです。熱すぎるお湯は交感神経を刺激してしまい逆効果になるため、リラックスできる温度を意識してください。
日中の適度な運動で夜の眠りを深くする
日中に体を動かす習慣は、心地よい疲労感を生み、夜の寝つきを良くするだけでなく、睡眠の質そのものを向上させます。ただし、運動する時間帯や強度には注意が必要です。
おすすめは、ウォーキングやヨガ、軽いジョギングなどの有酸素運動です。運動を行うベストな時間帯は夕方から夜(就寝3時間前まで)です。この時間帯の運動は、一時的に深部体温を上げ、その後の体温低下を助けるため、入浴と同様の効果が期待できます。就寝直前の激しい運動は体を興奮させてしまうため、避けましょう。
五感を満たす最高の寝室環境づくり
寝室は「ただ眠る場所」ではなく、「心と体を休めるための聖域」です。五感に働きかける工夫で、最高の寝室環境を整えましょう。以下の表を参考に、ご自身の寝室を見直してみてください。
| 感覚 | 具体的な工夫 | ポイント |
|---|---|---|
| 視覚 | 遮光カーテン、間接照明 | 光を完全にシャットアウトし、暖色系の優しい光でリラックスできる空間を演出します。 |
| 聴覚 | 耳栓、ホワイトノイズマシン | 生活音や外部の騒音が気になる場合は活用しましょう。静かすぎると落ち着かない方は、ヒーリングミュージックもおすすめです。 |
| 嗅覚 | アロマディフューザー、ピローミスト | リラックス効果の高いラベンダーやカモミール、ベルガモットなどの香りは、副交感神経を優位にし、眠りを誘います。 |
| 触覚 | 肌触りの良い寝具・パジャマ | シルクやコットンなど、吸湿性・放湿性に優れた天然素材がおすすめです。体を締め付けないデザインを選びましょう。 |
| 温湿度 | エアコン、加湿器・除湿器 | 夏は25〜26℃、冬は22〜23℃、湿度は年間を通して50〜60%が快適な睡眠環境の目安です。 |
自分だけの入眠儀式(スリープセレモニー)を見つけよう
毎日寝る前に決まった行動をとる「入眠儀式」を作ることは、脳に「これから眠る時間だ」という合図を送る上で非常に効果的です。これにより、心と体がスムーズに睡眠モードへと切り替わります。
難しく考える必要はありません。以下のような、自分が心からリラックスできることを習慣にしてみましょう。
- カフェインレスのカモミールティーやホットミルクを飲む
- ヒーリング音楽や自然音を聴く
- 軽いストレッチで体のこわばりをほぐす
- アロマを焚いて深呼吸する(瞑想・マインドフルネス)
- 刺激の少ないジャンルの本を読む(電子書籍は避ける)
大切なのは「これをすればリラックスできる」という自分なりのルーティンを見つけ、毎日続けることです。食べ物や飲み物とこれらの快眠習慣を組み合わせることで、辛い不眠の悩みはきっと解消に向かうはずです。
注意点 寝る前に避けたい食べ物と飲み物
ぐっすり眠るために何かを口にしようと思っても、選び方を間違えると逆効果になってしまうことがあります。良質な睡眠のためには、体をリラックスさせ、スムーズに休息モードへ移行させることが大切です。ここでは、安眠を妨げる可能性のある、寝る前に避けるべき食べ物と飲み物について具体的に解説します。ご自身の就寝前の習慣と照らし合わせてみてください。
カフェインを含む飲み物|覚醒作用で眠りを妨げる
カフェインに覚醒作用があることは広く知られています。カフェインを摂取すると、脳内で眠気を誘発するアデノシンという物質の働きがブロックされ、神経が興奮状態になります。このカフェインの効果は個人差がありますが、一般的に30分〜1時間ほどで現れ、4〜6時間程度持続すると言われています。そのため、夕食後や就寝前にカフェインを摂ると、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりする原因となります。また、利尿作用もあるため、夜中にトイレで目が覚めてしまうこともあります。快眠のためには、最低でも就寝の4時間前からはカフェインを避けるのが賢明です。
| 種類 | 主な飲み物 |
|---|---|
| コーヒー類 | コーヒー、カフェラテ、缶コーヒー |
| お茶類 | 緑茶、玉露、ほうじ茶、紅茶、ウーロン茶、マテ茶 |
| その他 | エナジードリンク、栄養ドリンク、ココア、コーラ |
※ほうじ茶やココアにも微量のカフェインが含まれるため、敏感な方は注意が必要です。
アルコール(お酒)|睡眠の質を著しく低下させる
「寝酒をするとよく眠れる」と感じる方もいるかもしれませんが、これは大きな誤解です。アルコールは一時的に寝つきを良くする作用がありますが、睡眠の後半部分で眠りを浅くし、中途覚醒を増やす原因になります。アルコールが体内で分解される過程で生まれるアセトアルデヒドという物質には覚醒作用があり、これが深い睡眠を妨げます。結果として、レム睡眠が減少し、疲労回復が不十分になるのです。また、カフェイン同様に利尿作用も高いため、夜中に何度も目が覚めてしまうことにも繋がります。質の高い睡眠を求めるなら、就寝前の飲酒は控えるべき習慣です。
消化に時間がかかる食べ物|胃腸の負担が安眠を阻害
就寝前に食事をすると、体は食べ物を消化するために胃や腸を活発に動かします。特に、脂っこいものや食物繊維が豊富なものは消化に時間がかかります。体が消化活動にエネルギーを使っている間は、脳や体を休ませるための副交感神経が優位になりにくく、深い眠りに入ることができません。就寝時に胃の中に食べ物が残っていると、安眠が妨げられるだけでなく、翌朝の胃もたれの原因にもなります。
特に避けたい食べ物の例
- 唐揚げやフライドポテトなどの揚げ物
- 豚骨ラーメンやクリーム系のパスタ
- ポテトチップスなどのスナック菓子
- ステーキなどの脂身の多い肉料理
夕食はできるだけ就寝の3時間前までに済ませ、消化の良いメニューを心がけましょう。
香辛料などの刺激物|交感神経を優位にしてしまう
唐辛子に含まれるカプサイシンなどの香辛料は、交感神経を刺激して体を活動モードにしてしまいます。体温、心拍数、血圧が上昇し、脳が興奮状態になるため、リラックスして眠りにつくことが難しくなります。また、深部体温(体の内部の温度)がスムーズに下がることが質の高い睡眠の鍵ですが、刺激物を摂ると体温が下がりにくくなり、寝つきを悪化させる可能性があります。夕食では、激辛料理など刺激の強いメニューは避けた方が良いでしょう。
糖分の多いお菓子やスイーツ|血糖値の乱高下が原因に
夜中に小腹が空いて、ケーキやアイスクリーム、チョコレートなどを食べてしまうことはありませんか?糖分を多く含むものを食べると血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンというホルモンが大量に分泌されます。その結果、今度は血糖値が急降下してしまい、体は危険を察知して血糖値を上げようとアドレナリンやコルチゾールといった覚醒作用のあるホルモンを分泌します。この血糖値の急激な変動は、睡眠を不安定にし、夜中に目が覚める原因となり得ます。甘いものが欲しくなったら、この記事で紹介しているバナナや少量のアーモンドなどを選ぶようにしましょう。
利尿作用のある食べ物|夜間頻尿で目が覚める
水分を多く含む果物や野菜の中には、カリウムが豊富で利尿作用を持つものがあります。これらを寝る前にたくさん食べると、夜中に尿意で目が覚めてしまい、睡眠が中断される原因になります。これを「夜間頻尿」と呼びます。
| 種類 | 主な食べ物・飲み物 |
|---|---|
| 果物 | スイカ、メロン、柑橘類(みかんなど) |
| 野菜 | きゅうり、冬瓜、セロリ |
| 飲み物 | カフェイン飲料、アルコール(前述) |
これらの食べ物や飲み物は日中に摂る分には問題ありませんが、就寝直前に食べるのは避けるのが無難です。
まとめ
つらい不眠の悩みは、日々の食生活を見直すことで解消への一歩を踏み出せます。睡眠の質を高める鍵は、睡眠ホルモンの材料となる「トリプトファン」、心身をリラックスさせる「GABA」、深い眠りを促す「グリシン」などの栄養素を意識的に摂取することにあります。
この記事でご紹介したホットミルクや豆乳、バナナ、アーモンドなどは、これらの栄養素を含んでおり、コンビニでも手軽に手に入ります。夜、小腹が空いた時やリラックスしたい時に取り入れてみましょう。さらに、専門家が教える快眠習慣を組み合わせ、カフェインやアルコールなど睡眠を妨げる飲食物を避けることで、より効果を実感しやすくなります。
今夜からできる手軽な食事の工夫で、穏やかで質の高い睡眠を手に入れましょう。
※記事内容は実際の内容と異なる場合があります。必ず事前にご確認をお願いします